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REPORT-レポート
短歌ダイアリー
富士川町立図書館開館記念イベント「短歌つれづれ」のスピンオフ企画「短歌ダイアリー」。
みなさんの短歌をご紹介します。
窓越しに出会いし園児振り合う子芽ばえし心愛しくあれと/せいちゃん(富士川町)
白梅の清らかなるを心とめ一枝たおる花盗み人/せいちゃん(富士川町)
咲き染めし菅公愛でた梅の花たおやかなりてかぐわし香り/せいちゃん(富士川町) *菅公・・・菅原道真公
東風吹かば匂いぬるかな梅の花咲きし九重ゆかしき一重/せいちゃん(富士川町)
抱きたる愛猫の背骨ゴツゴツと命のあかりはや消えんとす/亜子(富士川町)
けなげにも死にゆく見せまじと我目くぐりて草木に隠れ/亜子(富士川町)
最後まで我につきそい生きし猫小さきむくろ白き布かけ/亜子(富士川町)
愛猫とすごせし家も今宵から一人で生きる終の棲家に/亜子(富士川町)
最高よいよい最悪だめだめいいことばだけをつかっていこう/市川か(富士川町)
病得て十年余り生き延びた我の主治医はねこのにゃんくん/にゃんちゃん(富士川町)
大掃除側で無邪気に遊ぶ猫見守る我をときおり見張る
いうことをきかない猫が走り来る「お刺身!」という魔法の言葉/にゃんちゃん(富士川町)
気がつけば隣で猫が丸くなり秋は静かに終わりへ向かう/にゃんちゃん(富士川町)
美しきもみじ見たさに訪ね来し北杜の山は赤に染まりて/亜子(富士川町)
美しきもみじの山に入り来て天の回廊くぐるが如し/亜子(富士川町)
雨上がりふて寝していた保護猫が勢いつけて庭にとびだす/にゃんちゃん(富士川町)
保護猫がアンモナイトに変身し眠る姿は平和な日常/にゃんちゃん(富士川町)
よく老いる道見つけて生きましょと師とも仰ぎし友よりの文/亜子(富士川町)
一人居る幸せ思い昼寝する豊かな後の甘きコーヒー/亜子(富士川町)
一年があっという間に過ぎ行きて「何残したか?」と自問しており/亜子(富士川町)
来る年は争いの無い世にしてと天地の神に頭たれしも/亜子(富士川町)
ドンド焼き団子作り手三世代いざ持ち寄りて大柱の中/淳子(富士川町)
細竹に団子突き刺しどんど焼き炎の上で光る満月/淳子(富士川町)
図書館の窓にうつりし学生の日々の中にも青春溶ける/榮木(富士川町)
永遠は無いに等しく人の世の君と出会えた一期一会/榮木(富士川町)
長き日々思い出残し逝きし人三人会も二人となりて/亜子(富士川町)
好物のししゃも五本を分かちあう三本目の猫遠慮を知らず/にゃんちゃん(富士川町)
町の歌流れる庭に目をやればいつもの場所に猫は戻りぬ/にゃんちゃん(富士川町)
初茜白き連山縁緑取りぬ猫温かき時間を止める/にゃんちゃん(富士川町)
夕餉時の戦のニュースに猫は言う「欲を捨てればいいんだよ」/にゃんちゃん(富士川町)
来月は傍らに居ず卒業の朝もいつものいってらっしゃい/山内雅子(身延町)
温かい恩師の涙で渡されるふるさとの和紙の卒業証書/山内雅子(身延町)
初めての一人暮らしに備えるは慣れぬ手つきで作るチャーハン/山内雅子(身延町)
我友の病あるか?と思いしが無しとわかりて心晴れやか/亜子(富士川町)
晴れやかな心で見れば見るものがすべて輝き見える不思議さ/亜子(富士川町)
ししだれ桜毎日蕾ふくらみて春の足跡じゅぎんぐ並みに/亜子(富士川町)
我我庭に春を招きてしだれ梅ピンクの花弁滝のごとくに/亜子(富士川町)
うれしうれしくも咲くに咲きけり桜花大法師の丘春はここぞと/穂高正樹(富士川町)
富士山(ふじ)背伸び八ヶ岳(やつ)も見やるや大法師の春爛漫に桜花舞ふ/穂高正樹(富士川町)
背伸びして折りし桜の枝二本我が家に春を届けむとして/きよみ(中央市)
ベランダの日差しに浮かぶ猫の影見つめる先は大きな宇宙/きよみ(中央市)
一輪の夫が挿ししバラの花耐えて来た道一度にほぐる/きよみ(中央市)
富士の山アルプスの峰八ヶ岳甲府盆地の雪の絶景/きよみ(中央市)
「80才」皆なは拍手をするけれど我身はズシリと重さに耐ゆる/穂高正樹(富士川町)
「オギャ―」と言うこの第一声たのもしき待っていたぞと爺の喝采/穂高正樹(富士川町)
元気なる孫の声に電話なり「バーバ元気?」と我を気づかう/亜子(富士川町)
苗代の青々とした田の上を二羽のツバメが運動会/亜子(富士川町)
次々と病いおこせし体さえ気力が勝ちて我はすこやか/亜子(富士川町)
山々を青葉占めたるすそ野には田植えを終りし苗の花咲く/亜子(富士川町)
寝息して続くいびきに寝言とは親父猫なりわが家の二歳は/にゃんちゃん(富士川町)
発表会迫りし我が二胡を弾く家猫にゃんくん曲と認めず/にゃんちゃん(富士川町)
「だるまさんころんだ」しながらついてくる猫と私の微妙な距離感/にゃんちゃん(富士川町)
にゃんくんと喧嘩した日はつまらない「ごめんね」と書きご飯の隣に/にゃんちゃん(富士川町)
振り向いた我を追い越し先まわりお出掛けしない私の席だよ/にゃんちゃん(富士川町)
わからないようでほんとうはわかってる猫の仕草は日々の脳トレ/にゃんちゃん(富士川町)
老いの身も心はいつも輝やきて恋の和歌(うた)など読みて生きたし/亜子(富士川町)
熱風にくだけて落つる玉の汗外なる木々は何思いしか/亜子(富士川町)
口の中歯と歯のケンカ親しらず抜いてすっきりようじが不要/かさいちひろ(富士川町)
苦笑い本の影から見つめ合う図書館デートみーちゃった/かさいちひろ(富士川町)
夢の中あなたに会えた喜びは一瞬にしてシャボン玉形/かさいちひろ(富士川町)
京都には歴史と文化浮かんでる追いかけ回す過ぎ去った日々/かさいちひろ(富士川町)
家猫が遊び疲れて昼寝する風の道なり縁側廊下/にゃんちゃん(富士川町)
暑いねとかける言葉に家猫は薄目でちらりと我を制す/にゃんちゃん(富士川町)
初めての音に驚き身構える猫の瞳に輝く花火/にゃんちゃん(富士川町)
猫の手がわずかに触れる我の膝初めて見たね神明の花火/にゃんちゃん(富士川町)
ジイジイと声あらゝげしせみの声命の終り告げるがごとく/亜子(富士川町)
赤トンボ秋のけはいを感じたか青空を背に嬉しげに舞う/亜子(富士川町)
愛猫の弱りし歩み見まもりて我人生の先も見すえて/亜子(富士川町)
贅沢は自由であると覚えたり日々の贅沢皆に感謝す/亜子(富士川町)
父に似て山たくましく母に似てやさしぬくもり櫛形の里/保坂正樹(富士川町)
万智さんの歌集開けば遠き日の恋する我居て幼き顔で/山内雅子(身延町)
「さいはて」という言葉浮かび足元のぐらつく石多き河川敷で/山内雅子(身延町)
休日はジャズが流れる館内で指折り数え短歌を紡ぐ/ヒロヤマナシ(昭和町)
北斎の藍が好きだと呟けば夏の終わりはギターの調べ/ヒロヤマナシ(昭和町)
短歌には縁もゆかりもなき我に楽しさ教えた「たわらまち」かな/にゃんちゃん(富士川町)
-こんなつぶやきも投稿いただきました-
顔を上げほっと一息読み切った/河澄光咲(富士川町)
駆ける足こぼれる笑顔にほほ笑んだ/ 河澄光咲(富士川町)
-富士川町立図書館開館記念イベントに参加して-
すずやかな声ひびきたるホールには歌よみ人の白き衣が/亜子(富士川町)
我耳に美音残せしかの人は歌よみ人の俵万智さん/亜子
王朝の文学かなたに思へども紫式部がちょこんと隣に/にゃんちゃん(富士川町)
少しでも歌詠み人に近づけとサラダ作ろうアボガド入れて/にゃんちゃん
図書館の粋な計らい万智先生叙勲の花束(はな)にオーラの華/深澤稜子(富士川町)
ありのままありのままとは強調も短歌(うた)は往来(いきき)の雑踏のまま/ 深澤稜子
徒歩で行く歩幅のギアを最速に俵万智とはどんな人かな /淳子(富士川町)
-日常を切り取った作品-
花もいいけど猫もいい膝の上で眠るやわらかさ/岩下善啓(市川三郷町)
僧堂の猫の名はニャア老師がニャアと喚べばニャアと応える/岩下善啓
橋上の漆喰の空小さき月帰宅路はしる我ひとり/サラダっこ(富士川町)
夕方の五時に流るる曲を背に枯葉舞い散る道を急いで/淳子
天塩のオロロン岩のある所プロペラLINE心ときめく/北谷匠(京都)
出かけ際何か要るかと問うてみれば静かな時間と答える夫/フリージア(富士川町)
ペラペラと喋り止まらぬその口に壊れたラジオとうるさがる人/フリージア
保護猫のにゃんくん我が家で三月経ちしつけるつもりが我操られ/にゃんちゃん
おとなしいねこのはずではなかったか今日まで“猫をかぶって”いた君/にゃんちゃん
亜子さんが我に授けし二胡と猫思いどおりにならぬ楽しさ/にゃんちゃん
青空の向こうにあるは戦禍の地青空の如澄みしと祈る/亜子
雪降りて寒さ身にしみ思うこと戦禍の子らの身いかばかりかと/亜子
桜咲き春の便りが届くのに戦火の終りいまだとどかず/亜子
今年こそ戦禍の終り聞きたしと空見上げればひこうき雲が/亜子
初日の出祈りて願う子等のことウクライナの子ガザ地区の子も/亜子
雪降りて寒い寒いとストーブに戦地の子等のいかばかりかと/亜子
梅桜菜の花水仙咲く庭を見せてあげたし戦地の子にも/亜子
寝ころびて頁をめくる我が背の心地良きかな猫の重さよ/にゃんちゃん
近ごろのお気に入りかな猫じゃらし上手に遊ぶ左利きの君/にゃんちゃん
ごうごうと夜半の嵐のすさまじさ心強きは小さき猫よ/にゃんちゃん
家鳴らす春の嵐に目覚めればじっと見つめる寄り添いし猫/にゃんちゃん
ちょっとずつ半年かけて近寄りて保護猫まどろむ我が足元/にゃんちゃん
春うららおなかを見せて寝る君触れることさえ許さぬ保護猫/にゃんちゃん
あたたかな窓からあかり読み聞かせゆびさす子らにゆれるほほえみ/良寛さん(富士川町) -児童センターでの読み聞かせの日-
白銀の世界に遊ぶすずめの子あたえしエサを分けてついばむ/亜子 -3月7日大雪の後-
「作っといたよ」のそのひとこと辛いチャーハンもごちそうになる/サラダっこ
春が来る別れと出会いの桜舞う私もくるくる舞い上がりたい/みず(身延町)
願かけて枯葉摘みしその先に新芽見つけて今日は良き日よ/淳子
突風に負けじとしなる枝先に今朝観た能登の人たち重ね/淳子
希望もち前を向きたい私いるああ春よ背を押してくれ/桜色(市川三郷町)-一歩前に進みたい私がいる。春は希望の季節と思っている。いろいろあった去年、今年の春は少し前に進みたい-
庭に来て鳴くうぐいすの声きかば平和の国ぞ長くつづけし/亜子
雨ふりて桜の花の落つるなり戦地の子等の姿にもにて/亜子
忙しなくいつもの朝の家事終えて猫の居場所で春を知るかな/にゃんちゃん